じゃがいもの毒(ソラニン)を食べた時の体験談

私たち庶民には馴染み深い「じゃがいも」にはソラニンという有害物質が含まれていることがあるのをご存知ですか?

「じゃがいもの芽には毒があるから食べてはいけない」という話を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか?

実はこの毒、じゃがいもの芽以外にも含まれているんです。

今回は先日、じゃがいもを食べた際に痛い思いをしたので、じゃがいも毒の作用機序なども含めてみなさんにシェアしておきたいと思います。

じゃがいもには毒が含まれていることがある

じゃがいもに含まれる有害物質とは

じゃがいもの芽に含まれている有害物質というのは、ナス科の植物が生産する有機アルカロイド(グリコアルカロイド)と呼ばれる物質で、その中でもソラニンチャコニンと呼ばれる物質をじゃがいもは特に多く生産します。

これらの物質は日光などの光を多く浴びた際や傷を受けた際に多く生産される代謝物で、害虫や病原菌から身を守るために生産される物質です。

かわいい名前ですが、これが人体に悪影響を及ぼします。

ちなみに同じナス科のトマトの葉には有機アルカロイドであるトマチンが含まれていることも知られています。

たっきー

トマチンて・・・

ソラニンの作用機序

さて、このブログを読んでいる方なら気になるであろう作用機序について説明していきましょう。

グリコアルカロイドにはコリンエステラーゼを阻害する役割があります。

コリンエステラーゼは副交感神経を亢進させる(興奮させる)神経伝達物質であるアセチルコリンを分解する酵素です。

つまり、グリコアルカロイドがコリンエステラーゼを阻害することで、アセチルコリンが分解されず副交感神経の興奮状態が続いてしまうという現象が起きます。

そして、副交感神経は胃腸など内臓の働きを亢進する作用を持つため、副交感神経の興奮状態が続いてしまうと下痢などの症状が引き起こされることになります。

その他にも発汗や瞳孔の収縮、最悪の場合呼吸困難などの症状が起きることもあるので非常に注意が必要です。

たっきー

コリンエステラーゼの阻害物質といえばオウム真理教で有名なサリンがあるよね

ソラニンが多く含まれる部位

ソラニンはじゃがいもの芽に多く含まれるということはよく知られていますが、実は皮にも多く含まれています

そしてソラニンが多く含まれる皮には特徴があります。

農林水産省HPより引用

写真の通り緑色のじゃがいもにはソラニンやチャコニンが多く含まれています。

皮を完全に除去して食べる分には食中毒のリスクは抑えられますが、可食部にもソラニンが含まれる場合もあるので極力食べないようにした方がいいでしょう。

ソラニン食べてみました(不本意)

それでは私がソラニンを食べた時の感想をお話ししましょう。

たっきー

ソラニンを食ったのは私だ

ポトフにして食べたんやけど

最近ポトフにハマっていて毎週朝食用にポトフを作ってました。

ポトフって作り置きできるし、具材を追加していけば永遠に食べれるんですよね。

それでポトフにじゃがいもを入れていたんですが、痛い目に遭ったんですね・・・。

その日買ったじゃがいもは上の写真ほど緑色ではなかったんですが、やや緑色を帯びているような色をしていました。

ちょっとおかしな色をしてるなとは思ったんですが、あまり気にせず食べることにしました。

もちろん皮は剥いて食べましたが(薄く剥きすぎたような・・・ちょっと皮が残ってたような・・・)。

食べてみると何かエグ味のようなものを感じます。

食べ物を残さないという信念を持って生きてきたことも災いし、違和感を感じながらも3口、4口と食べ進めていきました。

あまりのエグ味にこれ以上食べられない!スープまでエグい!今でも思い出すあのエグ味・・・。

が、食後1時間ほどで吐き気を催し嘔吐・・・。さらに水下痢のダブルパンチ・・・。

幸いそこまで多く食べていないこともあり、その後の体調は良好でことなきを得ました。

たっきー

マックのポテトMサイズも復活したので食べてます。

ソラニンは熱に強い

食中毒というと細菌性のものを思い浮かべる方が多く、加熱すれば大丈夫だと思いがちですが、ソラニンやチャコニンは熱にも強く安定な物質で加熱しても分解されることがありません。

さらに、じゃがいも中のソラニンはイオン化されており、水によく溶けるような状態です。

スープにもエグ味があったのはこのためです。

じゃがいもを食べる際にソラニンの摂取を防止するには、皮や新芽を食べないことと皮はよく剥いておくことが重要です。

まとめ

今回はじゃがいもに含まれる有害物質「ソラニン」の作用機序を実体験と共に解説しました。

以前毒とされる物質は基本的に苦いというお話をしましたが、苦味やエグ味のある物質は基本的に体に有害であることを身を染みて感じた体験でした・・・。

味覚について解説しています

とはいえ、少しくらい皮が緑色のじゃがいもや芽が出たじゃがいもでも皮を厚めに剥いたり、芽を深めにえぐり取ったりすることで美味しく食べられます。

みなさんもじゃがいもを食べるときには十分に気をつけて食べるようにしましょう。