【科学的に解説】肥満とちんこのサイズを最新の論文を元に考察したら予想外に面白かった

今回はYouTubeでもコメントを頂いた、肥満とちんこの大きさの関係について論文を紹介します。

 たっきー「小中学校の頃、太ってる友達はなんとなく小さい気がしていたよね」

 おっくん「今回はそれについて科学的に解説していくよ」

YouTubeでも聞けます

肥満とちんこのサイズを最新の論文を元に考察

肥満とちんこの大きさについて話すための前知識

 おっくん「小学生のころに太っている子はちんこが小さいと思ったことがあったけど、そこには何か理由があるのではないかと思って世界中の論文を調べてみました。」

 たっき「そのために大学院まで進学したみたいなところあるもんね」

 おっくん「それはわからんけど、発生学は面白いからね」

ちんこの大きさは、オスの度合いみたいなものをある程度示していて、ちんこの大きさを考える際に、そもそもオスとメスの違いはどのように決まるのかを考えることが重要です。

なので、一般の方にもわかりやすいように発生学から説明させてください!

オスとメスの決まり方

まず皆さんに質問です。

我々の体が形成される初期(胎児期)に身体の状態は男から始まるのか女から始まるのかご存知でしょうか?

実は、どちらでもないのです。

正しく表現すると、どちらにもなれる状態という表現になります。

この図は、生殖器官の詳細な図になりますが、上の模式図が発生初期の生殖器官、左下が男性、右下が女性の生殖器官の状態を示しています。

上図に記載されている「Gonads」というのがのちに生殖器官になる前駆体的なものになります。

そしてGonadsの近くにウォルフ管とミュラー管というものがありますが、これがそれぞれ卵管と精巣管に分化していきます。

つまり、胎児期には男の子も女の子も両方とも持っているということです。

どのようにして卵管のみを残すのか?精巣管のみを残すのか?というと、男性が持っているXY染色体というものが重要になります。

XY染色体のうちY染色体上に存在するSRYという遺伝子が活性化すると、卵管を作るミュラー管を消失させることがわかっています。

その結果、卵管は形成されず精巣管のみが発達するということになります。

そして、精巣管が形成されると、男性ホルモン(テストステロン)が生産され、男性としての体に成長していくというわけです。

Y染色体の役割を染色体異常の疾患から見る

話はそれますが、染色体異常による疾患というものが存在します。

Y染色体を持たないXO染色体の人は、ターナー症候群と呼ばれていて、卵管をなくすことができないため、見た目が女性になります。

他にY染色体が存在する異常としてXXY染色体を持つクラインフェルター症候群の方は、Yを持っているため男性になります。

つまり、Y染色体があるかどうかが男性になるか女性になるかの決め手となります。

しかし例外もあって、XY染色体なのに女性の見た目である方も存在します。

これは男性的な見た目を形成するためのテストステロンを生産することはできますが、受容体に異常がありテストステロンが機能しないためです。

この病気は、アンドロゲン不完成症候群と呼ばれていて、腎臓から生産される女性ホルモン(エストロゲン)に反応して見た目が女性になります。

もちろんペニスや睾丸もできません。

男性ホルモンの働き

少し話がそれましたが、男性ホルモンについて詳しく解説しました。男性ホルモンの役割は大きく3つです。

①胎児期に男性の体を作る

②二次成長期に男性らしい体を形成する

その他にも補足的になりますが実は、女性ホルモンは男性ホルモンから作られるんです。

男性ホルモンにはこんな役割もあるんですね

肥満とちんこの大きさの関係

それではいよいよお待ちかねの肥満とちんこの大きさの関係について調べた内容を解説したいと思います。

今回、肥満とちんこの大きさの関係を考える上で着目したものはズバリ「男性ホルモン」です。

この男性ホルモン、実は肥満の状態では少なくなることが知られています。

この理由について考えられる原因は2つあります。

①女性ホルモンが、白色脂肪細胞でも作られるから

②肥満の男性では、sex hormone bindding globlinの機能が低下するから

まず一つ目ですが、白色脂肪細胞は、男性ホルモンを女性ホルモンに変える働きがあると言われています。

そのため、脂肪細胞の多い肥満の男性は男性ホルモンが減り、女性ホルモンが増えるということになります。

デブはおっぱいがあるように見えるのはこのためです。

あれはただの脂肪ではなく、女性と同じ乳房ということになります!

2つ目のsex hormone bindding globulinが少ないということですが、男性ホルモンなどの性ホルモンは単独で血中を流れていくのではありません。

sex hormone bindding globulinというタンパク質と結合して血中を運ばれています。

そのため、sex hormone bindding globulinが少なくなると男性ホルモンがうまく機能しません。

肥満の人ではインスリンが多く放出されており、インスリンがこのタンパク質の機能を邪魔しているというふうに考えられています。

ここまでで、肥満の男性は男性ホルモンのレベルが低く、女性ホルモンのレベルが高い、さらにsex hormone bindding globulinの機能が低下しているということで、ちんこが小さくなりそうだということが予想できますよね。

しかし・・・

めちゃくちゃ調べましたが、肥満とちんこが小さくなるという関係性については一切報告がありませんでした(泣)

太っている子供とそれ以外の子供では、ちんこの大きさに違いがないといった論文やBMIとの相関を研究した論文でもデブとちんこの大きさについての相関はないという結果になっています。

身長とちんこの大きさには相関がありそうだという話を以前の記事で書きましたが、肥満だと女性ホルモンが増え、身長も低下するはずなのでちんこが小さくなってもいいはずですが、影響しないようなのです。

非常に不思議です。

成長期における肥満の弊害

それなら太っててもいいやと思ったそこのあなた!

実は不妊治療を受ける夫婦の男性側には肥満の人が多いという報告があります。

つまり、肥満と精子の機能にはどうやら相関がありそうだと思われます。

実際に精子が少なくなったり、機能の低下といった質の低下が考えられています。

そういった意味でも、できれば肥満にならないように注意したほうが良さそうですね。

参考文献

M Brian et al., 2013.Penis size interacts with body shape and height to influence male attractiveness.